私のチュン 連載
http://hatiman-kohyuh3.cocolog-nifty.com/blog/2008/09/post-1225.html
はじめに
私はスズメを飼っている。 本来、野鳥を飼うことは法律で禁止されているらしいが、傷ついて飛べなくなっているのを見かねて、娘が家に連れて帰ってきた。 96年5月のことだ。 だから現在、満10歳になる。 (2006/06/12現在)
名前はチュンだ。 きっと同姓同名の仲間も多いと思う。 チュンチュンと鳴くからと思われるかもしれないが、そうではない。 雀語というものがあって、それに基づいてつけたものだ。 言葉でチュンと書いても、感情表現等で、発音が微妙にことなる。
犬や猫に幸太郎とか、色々名前をつけている人もいるが、日本のことをジャパンと言ったり、ベネチアのことをベニスと言ったりするのと同じで、当地の言葉を無視して、自分らの都合の良い表現をしているだけで、本来、馬鹿にしたものだろう。
私のチュンは、介護の甲斐あって、一命は取り留めたが飛べない。 野に放す分けにはいかない。 これを罰するとでもいうのなら、法律の方がおかしいだろう。
私のチュン 満5歳のとき
2001年11月3日 自宅にて Photo by Kohyuh
夏には、頭が禿げていたのに、寒くなって、また再生してきた。
★寿命について
動物園の人にスズメの寿命について聞いたことがある。 野生では、寿命は一年ほどださうだ。 猫に獲られたり、事故や何やからで、野生として暮らしていくとなると、危険がいっぱいという。 一方、飼育環境下では、五年程度かな、と言われた。
動物園で聞いたとき、私のチュンは五歳だったから、そろそろかなと心配していた。 それからもう五年たった。 右翼が機能せず飛べないが、高さ一メートル程の籠の三段ある止まり木の一番上がお気に入りの場所で、そこから一気に一番したの止まり木まで、飛び降りることも出来た。 出入り口はいつも開けているし、手乗りではあるのに、少し柄が違う服を着ると怖がって逃げたりする。
どのような絵柄が気に入らないのか確かめようと、いろいろ試してみたが、茶色系統は問題が少ないようだ。 仲間の色に似ているからだろう。 嫌いな方は、特定が出来なかったが、縞模様は苦手なようだ。 とにかく、私の着る服については、チュンに見立ててもらうのが一番だ。 抜群のセンスと言っていいだろう。
非常に目がよくて、何か怖がっているなと思うと、部屋の片隅に、普段は、そこには置いていないもの、例えば、花瓶などを見つけたりする。 また、床のフローリングも苦手で、そこは歩けない。 しかし、新聞紙を広げている上は歩ける、というから不思議だ。 きっと怪我をしたときの、何か トラウマ が残っているからだろう。
★介護レベルは、要支援?
スズメは集団生活を営む動物だから、独りで居ることに耐えられないらしく、いつまでたっても赤ん坊のように、人の姿が見えなくなると泣き叫ぶ。 翼をブンブン回して、付いて行きたいと、ボディーランゲージで訴える。
例え、外国人でも誰でも、見れば、チュンの言っていることが理解できるだろう。 通訳はいらない。 およそ、喜怒哀楽は、人間と変わらない。 ついて来るのならどこにでも連れて行く。 しかし、一方で非常に怖がりで、隣の部屋にさえ行けないでいるから、扱いが大変だ。
ところが今では、頭は禿げ、片目が白内障で視力がなくなり、肌着に相当する羽毛も無残に抜け落ちて、翼を広げると素肌が見えるようになって痛々しい。 三段の止まり木では間隔が広すぎて危なかろうと、中間にも設けて、六段にしたが、さすがに最上段は使わなくなったので、取り外した。 それを、止まり木としてではなく、階段として使えるように配置した。 それでも人間ほどの介護は不要だから、エライものだ。
片目で見るから遠近感がつかめないのか、止まり木から降りるときは、地べたに、まさに落ちているから、危なっかしくて見ていられない。 朝は手を差し入れると自分から乗ってくる。 痛い目は、やはりしたくないのだろう。
視力が衰えたことが、逆に、恐怖心を少なくしていることもある。 今までと違って、腕時計をしていようが、嫌いな色の服を着ようが、隣の部屋に連れて行こうが、銀のスプーン(銀色のスプーン?)でヨーグルトを与えようが、一向に構わない。 ところが困ったこともある。 どこに行くにも追いすがって、台所でもどこでも歩いてついて来くるようになったことだ。 昔は、鳥篭のある部屋から、怖くてか、出ようとしなかった。 足元にまとわりつくし、危なくてしようがない。 踏み潰しでもしたらと考えることすら恐ろしい。
★水浴び
人間の年齢に換算したら、かなりのものと思うが、定期的に水浴びする。 真冬でもだ。 水浴びの前には、羽根の手入れをする。 右の翼、左の翼、右腹、左腹、右背中、左背中、お尻、最後が尾羽だ。 嘴で順番に、すごい速さで、しごいていく。 そして仕上げに尾羽をバサバサと音を立てて、振り払う。
これを数回繰り返えしてから、水浴びの行動へと移る。 人間のように、いきなり浴槽に飛び込むような無作法は、決してしない。 また、水浴びの水が少しでも汚れていると中止する。 水を入れ替えてやると、すぐ気がついて再び開始する。 偉いものだ。
冬の水浴びがどれほど勇気がいるものか、試してみたらよい。 一般に鳥類は、人間より体温が高い。 心肺能力・筋力を高めるために、たんぱく質が破壊される限界近くまで、体温を上げていると、前述の金田氏から聞いたことがある。
実際にチュンを抱いていると手が熱くなるほどで、40度は超えているだろう。 だから水の体感温度は、人間以上に冷たく感じることだろう。 いつか、スズメの体温を実際に測定してみようと考えている。
スズメとて水浴びはとても勇気のいることだ。 それは、行動から窺い知れる。 水に飛び込むまでに、ぐるぐると十回以上は風呂の周りを回る。 どうしようか躊躇しているのだろう。 途中でやめることもある。 それでもまた、勇気を出して再び動き出す。
野生の本能がそうさせるのだと思う。 いよいよ決心がつくと、風呂の縁に飛び乗り、嘴で水の温度を確かめる。 これも一度で済むというものではない。 あくまで慎重だ。 それはそうだろう。 失敗は命取りになるからだ。 しかし、一度決心しすると、もう躊躇しない。 ここのところも、普通の人間とは違う。 一度決心したことなのに、ぐだぐだしたこと、身に覚えのある方も多いだろう。
水に飛び込むと、ばしゃばしゃと両翼で水をかき回して、全身ずぶぬれになるまで水浴びをする。 あまり寒くて、途中で飛び出すこともある。 それでも足りないと思ったら、また飛び込むこともある。
水浴びは、それほど勇気がいることなのに、生涯欠かさないようだ。 それを毎日といっていいほどする。 数回入ることもある。 水浴びの後は、私の処に跳んでくる。 ティッシュでくるみ、懐や毛布で暖めてくれるのを知っているからだ。
はじめは、ブルブル震えている。 しばらくすると、手の中で眠る時と同じように、カーッと身体が熱くなってくる。 普段は嫌がるが、嘴を触わられようが反抗はしない、とにかく全力を尽くした後の疲労感というか、安堵感というのか、その状態で体力の回復を待っている。 分かる気がする。
身奇麗にするということは、野生として生きていく上で、それほどまでに大切なことなのだ。 犬でも猫でも、野生動物は美しい。 もし、小汚い格好のものがいたら、余命幾ばくもないものと考えてもいいだろう。 ここで、小汚いといったが、イボイノシシのような、見かけの話ではない。 彼らは、泥まみれかも知れないが、それが彼らの清潔を保つための技術で、寄生虫などが集るのを防ぐための、理にかなったものだからだ。
人間も見習わなければならない。 という私は、風呂に入れ入れと、三回は云われないと入らない。 スズメからみれば、生きている値打ちがないというものだろう。 水風呂なんてとんでもない。
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| 連載1 |
寿命について | |
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砂浴び | |
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チュンの体温測定 | |
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スズメの挨拶 | |
| 連載5 |
換羽 のこと | |
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チュン乱心 | |
| 連載7 |
私の手を、何と思っているのか | |
| 連載8 |
蘇った私のチュン! | |
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チュンと再会 | |
| 連載10 |
危機一髪 | |
| 連載11 |
チュンの体重測定 | |
| 連載12 |
チュンの好きな食べもの (1) | |
| 連載13 |
チュンの好きな食べもの (2) | |
| 連載14 |
チュンの好きな食べもの (3) | |
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チュンの好きな食べもの (4) | |
| 連載16 |
チュンの好きな食べもの (5) | |
| 連載17 |
チュンは猫舌 | |
| 連載18 |
チュンの衣替え | |
| 連載19 |
チュンの感情表現 | |
| 連載20 |
チュンの感情表現 《怒り・抗議》 | |
| 連載21 |
チュンの感情表現 《不安・恐怖》 | |
| 連載22 |
再生したチュンの羽衣 (うい) | |
| 連載23 |
老化は仕方がない (1) | |
| 連載24 |
老化は仕方がない (2) | |
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はじめに
私はスズメを飼っている。 本来、野鳥を飼うことは法律で禁止されているらしいが、傷ついて飛べなくなっているのを見かねて、娘が家に連れて帰ってきた。 96年5月のことだ。 だから現在、満10歳になる。 (2006/06/12現在)
名前はチュンだ。 きっと同姓同名の仲間も多いと思う。 チュンチュンと鳴くからと思われるかもしれないが、そうではない。 雀語というものがあって、それに基づいてつけたものだ。 言葉でチュンと書いても、感情表現等で、発音が微妙にことなる。
犬や猫に幸太郎とか、色々名前をつけている人もいるが、日本のことをジャパンと言ったり、ベネチアのことをベニスと言ったりするのと同じで、当地の言葉を無視して、自分らの都合の良い表現をしているだけで、本来、馬鹿にしたものだろう。
私のチュンは、介護の甲斐あって、一命は取り留めたが飛べない。 野に放す分けにはいかない。 これを罰するとでもいうのなら、法律の方がおかしいだろう。
2001年11月3日 自宅にて Photo by Kohyuh
夏には、頭が禿げていたのに、寒くなって、また再生してきた。
★寿命について
動物園の人にスズメの寿命について聞いたことがある。 野生では、寿命は一年ほどださうだ。 猫に獲られたり、事故や何やからで、野生として暮らしていくとなると、危険がいっぱいという。 一方、飼育環境下では、五年程度かな、と言われた。
寿命について
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動物園で聞いたとき、私のチュンは五歳だったから、そろそろかなと心配していた。 それからもう五年たった。 右翼が機能せず飛べないが、高さ一メートル程の籠の三段ある止まり木の一番上がお気に入りの場所で、そこから一気に一番したの止まり木まで、飛び降りることも出来た。 出入り口はいつも開けているし、手乗りではあるのに、少し柄が違う服を着ると怖がって逃げたりする。
どのような絵柄が気に入らないのか確かめようと、いろいろ試してみたが、茶色系統は問題が少ないようだ。 仲間の色に似ているからだろう。 嫌いな方は、特定が出来なかったが、縞模様は苦手なようだ。 とにかく、私の着る服については、チュンに見立ててもらうのが一番だ。 抜群のセンスと言っていいだろう。
非常に目がよくて、何か怖がっているなと思うと、部屋の片隅に、普段は、そこには置いていないもの、例えば、花瓶などを見つけたりする。 また、床のフローリングも苦手で、そこは歩けない。 しかし、新聞紙を広げている上は歩ける、というから不思議だ。 きっと怪我をしたときの、何か トラウマ が残っているからだろう。
★介護レベルは、要支援?
スズメは集団生活を営む動物だから、独りで居ることに耐えられないらしく、いつまでたっても赤ん坊のように、人の姿が見えなくなると泣き叫ぶ。 翼をブンブン回して、付いて行きたいと、ボディーランゲージで訴える。
例え、外国人でも誰でも、見れば、チュンの言っていることが理解できるだろう。 通訳はいらない。 およそ、喜怒哀楽は、人間と変わらない。 ついて来るのならどこにでも連れて行く。 しかし、一方で非常に怖がりで、隣の部屋にさえ行けないでいるから、扱いが大変だ。
ところが今では、頭は禿げ、片目が白内障で視力がなくなり、肌着に相当する羽毛も無残に抜け落ちて、翼を広げると素肌が見えるようになって痛々しい。 三段の止まり木では間隔が広すぎて危なかろうと、中間にも設けて、六段にしたが、さすがに最上段は使わなくなったので、取り外した。 それを、止まり木としてではなく、階段として使えるように配置した。 それでも人間ほどの介護は不要だから、エライものだ。
片目で見るから遠近感がつかめないのか、止まり木から降りるときは、地べたに、まさに落ちているから、危なっかしくて見ていられない。 朝は手を差し入れると自分から乗ってくる。 痛い目は、やはりしたくないのだろう。
視力が衰えたことが、逆に、恐怖心を少なくしていることもある。 今までと違って、腕時計をしていようが、嫌いな色の服を着ようが、隣の部屋に連れて行こうが、銀のスプーン(銀色のスプーン?)でヨーグルトを与えようが、一向に構わない。 ところが困ったこともある。 どこに行くにも追いすがって、台所でもどこでも歩いてついて来くるようになったことだ。 昔は、鳥篭のある部屋から、怖くてか、出ようとしなかった。 足元にまとわりつくし、危なくてしようがない。 踏み潰しでもしたらと考えることすら恐ろしい。
★水浴び
人間の年齢に換算したら、かなりのものと思うが、定期的に水浴びする。 真冬でもだ。 水浴びの前には、羽根の手入れをする。 右の翼、左の翼、右腹、左腹、右背中、左背中、お尻、最後が尾羽だ。 嘴で順番に、すごい速さで、しごいていく。 そして仕上げに尾羽をバサバサと音を立てて、振り払う。
これを数回繰り返えしてから、水浴びの行動へと移る。 人間のように、いきなり浴槽に飛び込むような無作法は、決してしない。 また、水浴びの水が少しでも汚れていると中止する。 水を入れ替えてやると、すぐ気がついて再び開始する。 偉いものだ。
冬の水浴びがどれほど勇気がいるものか、試してみたらよい。 一般に鳥類は、人間より体温が高い。 心肺能力・筋力を高めるために、たんぱく質が破壊される限界近くまで、体温を上げていると、前述の金田氏から聞いたことがある。
実際にチュンを抱いていると手が熱くなるほどで、40度は超えているだろう。 だから水の体感温度は、人間以上に冷たく感じることだろう。 いつか、スズメの体温を実際に測定してみようと考えている。
スズメとて水浴びはとても勇気のいることだ。 それは、行動から窺い知れる。 水に飛び込むまでに、ぐるぐると十回以上は風呂の周りを回る。 どうしようか躊躇しているのだろう。 途中でやめることもある。 それでもまた、勇気を出して再び動き出す。
野生の本能がそうさせるのだと思う。 いよいよ決心がつくと、風呂の縁に飛び乗り、嘴で水の温度を確かめる。 これも一度で済むというものではない。 あくまで慎重だ。 それはそうだろう。 失敗は命取りになるからだ。 しかし、一度決心しすると、もう躊躇しない。 ここのところも、普通の人間とは違う。 一度決心したことなのに、ぐだぐだしたこと、身に覚えのある方も多いだろう。
水に飛び込むと、ばしゃばしゃと両翼で水をかき回して、全身ずぶぬれになるまで水浴びをする。 あまり寒くて、途中で飛び出すこともある。 それでも足りないと思ったら、また飛び込むこともある。
水浴びは、それほど勇気がいることなのに、生涯欠かさないようだ。 それを毎日といっていいほどする。 数回入ることもある。 水浴びの後は、私の処に跳んでくる。 ティッシュでくるみ、懐や毛布で暖めてくれるのを知っているからだ。
はじめは、ブルブル震えている。 しばらくすると、手の中で眠る時と同じように、カーッと身体が熱くなってくる。 普段は嫌がるが、嘴を触わられようが反抗はしない、とにかく全力を尽くした後の疲労感というか、安堵感というのか、その状態で体力の回復を待っている。 分かる気がする。
身奇麗にするということは、野生として生きていく上で、それほどまでに大切なことなのだ。 犬でも猫でも、野生動物は美しい。 もし、小汚い格好のものがいたら、余命幾ばくもないものと考えてもいいだろう。 ここで、小汚いといったが、イボイノシシのような、見かけの話ではない。 彼らは、泥まみれかも知れないが、それが彼らの清潔を保つための技術で、寄生虫などが集るのを防ぐための、理にかなったものだからだ。
人間も見習わなければならない。 という私は、風呂に入れ入れと、三回は云われないと入らない。 スズメからみれば、生きている値打ちがないというものだろう。 水風呂なんてとんでもない。
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